「(企業・個人事業主として)営業認可を申請したが認められず納得できない」といった場合に,行政に改めて見直しを求めることができる「行政不服審査制度」が,約50年ぶりに法改正され,公正性や使いやすさの向上が図られました。

今回の記事では,平成28年(2016年)4月からスタートした,新しい行政不服審査制度について解説いたします。

 

目次

1 違法な行政活動の争い方―審査請求と行政訴訟

2 行政不服審査法に基づく審査請求のメリット・デメリット

3 誰が,どのようなタイミングで本制度を利用できるか

4 おわりに

 

1 違法な行政活動の争い方―審査請求と行政訴訟

現代社会では,身近なところでは市役所等の窓口業務から,警察による活動,公害の規制,廃棄物の収集運搬,道路の維持管理,各種施設運営の監督や生活保護などの福祉行政,果ては金融システムの安定に至るまで,私たちの身の回りには,「行政」による様々な規制やサービスが満ち満ちています。

普段の日常生活では,裁判所などの「司法」よりも「行政」の方を身近に感じる方の方が多いのではないでしょうか。

 

このような「行政」による規制活動やサービスについては,それが法律に基づき適正に実施されている限りは,私たちの日々の生活を支え,豊かにしてくれる,なくてはならないものです。

 

しかしながら,昨今,行政においてもデジタル化の流れが加速しているものの,「行政」もあくまでも,人によって営まれるものである以上,事務的な誤りや,ひいては違法な行政活動がなされることもまた事実です。

 

このような違法な行政活動を争う手段としては,大きく次の2つがあります。

①「行政不服審査法」に基づく審査請求(行政機関で争う手続き)

②「行政事件訴訟法」に基づく行政訴訟(裁判所で争う手続き)

以下では,①の「行政不服審査法」に基づく審査請求(行政機関で争う手続き)について説明します。

 

2 行政不服審査法に基づく審査請求のメリットと手続の詳細

「行政訴訟」については,新聞などのメディアで取り上げられることも多いので,ご存じの方も多いかと思いますが,「審査請求」については,馴染みがない方が多いのではないかと思います。

この「審査請求」は,行政機関で,違法な行政活動を争う手続きになります。

 

手続きの詳細や流れについては,以下の東京都と神奈川県のホームページが非常に分かりやすいため,こちらをご参照いただくことをお勧めします。

東京都HP

https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/12houmu/huhukumousitate.html

神奈川県HP

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/y8e/cnt/f534344/index.html

 

この審査請求については,

〇(裁判所での手続きと比較して)簡易迅速な救済が得られる

申立て手数料がかからない

〇審査請求においては,行政機関側に代理人が就かないことから,行政機関側の弁明や意見陳述において率直な意見を聴くことができる場合がある

などのメリットが挙げられます。

 

3 だれが,どのようなタイミングで本制度を利用できるか

不服申立てをすることができる人は,

①処分を受けた人

②申請に対する処分が行われない不作為の場合は、申請を行った人

③第三者に対する処分によって、権利利益の侵害を受ける(おそれのある)人

となります。

また,不服申立てをすることができる期間は,

原則として,処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内です。

※処分があった日の翌日から起算して1年を経過したときは,その後に処分があったことを知った場合でも,原則として不服申立てをすることができないので注意が必要です。

 

4 おわりに

行政を相手に争うことに不安を感じる方も多いかと思います。

もっとも,冒頭でも申し上げた通り,行政も間違ってしまうことはあり,間違った点を指摘することをためらう必要はございません。

本コラムで解説した審査請求以外にも行政の行為を争う方法はございますので,まずはお気軽にお問合せください。

 

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