交通事故は突然起きるものであり,極めて身近な法律トラブルです。
交通事故に巻き込まれてしまったら,どのように行動し,対処すべきなのかご不安なことと思われます。
ここでは,交通事故の事故発生から慰謝料の取得までの流れをご説明します。
目次
1 事故発生
・警察に連絡
・実況見分調書の作成
・自分の保険会社と相手の保険会社に連絡
2 事故翌日~通院~治療終了まで
・通院
・弁護士ご依頼のタイミング
3 治療による症状改善を感じなくなったら
・症状が残ってないとき
・症状が残っているとき
・弁護士依頼のタイミング
4 傷害部分の示談交渉
・交渉
・弁護士依頼のタイミング
5 後遺障害の申請
・後遺障害申請
・弁護士依頼のタイミング
6 後遺障害結果
・想定通りの結果が認定された場合
・後遺障害非該当あるいは想定より低い等級が認定された場合
・弁護士依頼のタイミング
1 事故発生
- 警察に連絡
まずは,事故が発生した場合は警察を呼びましょう。
警察を呼ばないと,本当に事故があったかどうかを後で確認することが難しくなる場合がございます。
- 実況見分調書の作成
警察が到着したら,事故時の状況を伝えて、実況見分調書を作成してもらいましょう(実況見分は後日実施する場合もございます。)。
ただし,怪我人がいない事故等では作成されない場合もございます。
また,怪我をしていたとしても実況見分調書を作成して頂けない場合もございますので,その場合は弁護士にご相談ください。
- 自分の保険会社と相手の保険会社に連絡
まず,自分の保険会社に連絡してなにか受けられるサービスがないか確認しましょう。
また,加害者が任意保険に加入している場合,加害者の保険会社にあなたの治療費を負担して頂けます。
加害者から加害者の保険会社の連絡先を聞き,連絡をしましょう。
2 事故翌日~通院~治療終了まで
- 通院
病院に通いましょう。
もちろん事故やお怪我の程度にもよりますが,打撲等比較的軽微な事故の場合の治療期間の目安は3~6か月程度です。
病院のほかに整骨院に行く場合は,必ず医師と加害者の保険会社に相談のうえ通院しましょう。
もちろん怪我の程度や医師の治療方針にもよりますが,ひとつの通院頻度の目安としては、月10日程度(週2回程度)は行くようにしましょう。
- 弁護士ご依頼のタイミング
通院方法や今後の手続の進め方などにご不安がある場合等は,この段階から弁護士にご依頼されるケースもございます。
特に,加害者の保険会社から病院の治療費用の支払いを打ち切られそうな場合,弁護士に通院の延長交渉をご依頼されるケースは多いです。
なお,別の記事でもご紹介をいたしますが,ご自身あるいはご家族の保険に弁護士費用特約が付帯されている場合は実質無料で弁護士にご依頼可能となりますので,ご確認ください。
3 治療による症状改善を感じなくなったら
- 症状が残ってないとき
加害者の保険会社に慰謝料がいくらか確認しましょう(「提示書送ってください」と言えば送って頂けます。)。
- 症状が残っているとき
治療による効果がなくなったと医師が判断したときは,医師から後遺障害診断書を取り付けたうえ後遺障害の申請をすることとなります。
- 弁護士依頼のタイミング
この段階は,相手方保険会社から一方的に治療を打ち切られ,また,一方的に賠償額を提示され,相手方保険会社に不信感を感じたり,困惑される方が最も多い段階です。
同段階でご自身で相手方保険会社の担当者とやりとりを行おうとしても,専門知識の差から適切に実施できない場合が多いです。
以上のような事情からか,当事務所ではこの段階でご依頼を頂くケースが最も多いです。
当事務所では,ご依頼を頂いた後は,後遺障害申請・交渉・保険会社担当者とのやりとり等すべての手続を弁護士が代行いたします。
4 傷害部分の示談交渉
- 交渉
(完治あるいは後遺症が残ったことにより)治療による効果がなくなった時点で、加害者保険会社と障害部分の示談交渉を進めることとなります。
交渉では,主に,治療費・通院費・休業損害・傷害慰謝料・(後遺障害が残った場合は後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益)を請求できます(なお,既に保険会社から支払われている治療費などは除かれます)。
このうち傷害慰謝料は,多くの場合安価な保険会社の基準でしか支払われず,保険会社の基準よりも高額となる裁判所の基準で支払われることは通常はございません。
- 弁護士依頼のタイミング
このタイミングで弁護士にご依頼頂くと,多くの場合,慰謝料の基準が保険会社基準から裁判所の基準に近づくこととなります。
損害賠償額の交渉は判例などの専門的知識が必要となる場合が多いので,途中までご自身で交渉等のやりとりを行われ,途中から弁護士にご依頼されるケースも多いです。
5 後遺障害の申請
- 後遺障害申請
医師に後遺障害診断書という書類を記入して頂き,その書類に今までの治療記録や車の修理見積書などの資料を添付して,加害者が加入している自賠責保険に申請します。
申請方法には、保険会社に任せて申請する事前認定という方法と、被害者側で資料を集めて申請する被害者請求という方法があります。
- 弁護士依頼のタイミング
後遺障害認定を獲得するには、医学的知識が必要なうえに、収集する必要がある資料も多いため、この段階で専門家である弁護士にご依頼されるケースも多いです。
6 後遺障害結果
申請して3か月程度すると後遺障害の該当・非該当の結果がきます。
- 想定通りの結果が認定された場合
想定していた後遺障害の結果と同じ認定結果が出れば、今度はその結果を前提に、加害者の保険会社と交渉していきます。
後遺障害部分の慰謝料についても、保険会社は安価な保険会社基準しか支払わないことがほとんどです(【参照:その4.傷害部分の示談交渉】)。
後遺障害部分の慰謝料についても裁判所の基準に近い金額を請求したいのであれば,弁護士への依頼をご検討ください。
- 後遺障害非該当あるいは想定より低い等級が認定された場合
残念ながら非該当ないし想定より低い結果のときは,「異議申立て」という手続きを行うことができます。
ただし,実務上は異議申立を行ったとしても認定結果が変わる可能性は低いです。
異議申立を行うのであれば,少しでも認定が変わる可能性を高めるために,被害者の陳述書のようなこれまでの後遺障害申請の際に用いらなかった新しい資料を準備する必要があります。
- 弁護士依頼のタイミング
一度判断された認定結果を覆すためには、綿密な自賠責保険会社からの認定通知の分析を行う必要があります。
そして,分析結果から判断された異議申立のための資料作成が必要不可欠です。
この作業もまた専門知識のない方が行うのは難しいため、この段階で弁護士にご依頼される方も多いです。
交通事故の流れの中で,いずれのタイミングでご依頼をなさるかはご依頼者様の自由です。
介入のタイミングのご相談から弁護士に依頼をした場合の手続の流れなど交通事故に関する不安な点がございましたら丁寧にご説明をさせて頂きますので,まずはお気軽にお問合せください。