「借地契約を解除して建っている建物を収去して土地を明け渡すことを命じる判決を獲得した。借地人とは連絡が取れず建物が建ったままなので、建物を取り壊して土地を返して欲しいが、その後の強制執行はどのように進むのか。」

このようなご質問は、多くのお客様から寄せられるご質問です。
このコラムでは、建物収去土地明渡しの強制執行について説明をします。

 

【目次】

1 建物収去土地明渡しの強制執行-代替執行とは?

2 代替執行の申立てから断行(建物収去土地明渡しの実行)までの流れ

3 建物収去土地明渡しの強制執行の弁護士費用

4 建物収去土地明渡しの強制執行を弁護士に依頼するメリット

 

1 建物収去土地明渡しの強制執行-代替執行とは?

土地所有権又は借地契約の解除に基づき、その土地に建っている建物を収去して、土地の明渡しを命じる判決(建物収去土地明渡請求認容判決)が確定してもなお、建物の所有者又は土地の賃借人(債務者)がその判決に従わない場合には、その確定判決に基づき強制執行の申立てをすることになります。そして、この確定判決に基づく建物収去義務は、債務者以外の者が行っても実現することができる義務(代替的作為義務)であることから、この強制執行については一般に、「債務者の費用で第三者に建物収去をさせること」を命ずる代替執行(民事執行法第171条第1項1号)の申立てを行うことになります。

 

2 代替執行の申立てから断行(建物収去土地明渡しの実行)までの流れ

(1)①代替執行申立て~授権決定発令
まず、確定した建物収去土地明渡請求認容判決につき執行文の付与を受けた上で、管轄の執行裁判所(=原則として第一審の裁判所 民事執行法171条2項)に対し、「債務者の費用で第三者に建物収去をさせる」権限を授けることを求める申立てを行います。
この申立てを受けて、執行裁判所は、債務者に対し、この授権申立てにつき(東京地方裁判所の場合)10日以内に書面で回答するよう求める書面審尋の手続を行い、授権決定が発令されることになります。

また、あらかじめ建物解体業者から解体費用の見積りを取得しておいた上で、(実際に支払いを受けられるか、回収できるかどうかは別として)必要な費用を債権者に支払うように債務者に命じる費用前払決定の申立て(民事執行法第171条第4項)を併せてすることもあります。


(2)②執行官に対する作為実施申立て及び土地明渡しの直接強制申立て
債権者は、管轄の裁判所の執行官室における執行官に対して建物に関しては授権決定に定められた作為の実施の申立て(=建物収去の代替的作為の強制執行手続)を行い、土地については不動産の明渡しの強制執行(直接強制 民事執行法第168条第1項)を申し立てます。
一般的には、強制執行申立書のほかに、債務名義原本、授権決定正本・送達証明書・確定証明書を提出する必要があります。


(3)③明渡しの催告
その後、執行官は、現地に赴いて催告の日から1か月を経過する日を引渡期限と定めて、明渡しの催告(民事執行法第168条の2第1項、第2項)を行います。また、債権者は、あらかじめ手配しておいた鍵屋、動産搬出・保管業者、解体業者等と現地に赴き、おおよその建物内の状況を把握することになります。
東京の執行官室では、業者のリストも備え置かれており、そちらから選ぶことも可能です。


(4)④断行(建物収去土地明渡しの実行)
一般には引渡期限までに建物収去土地明渡義務が任意に履行されることは多くないため、明渡催告における引渡期限を迎えると、執行官は、建物内に債務者所有の動産があるときは、(債権者が手配した動産搬出・保管業者の補助を受けて)これを建物外に搬出して、債務者や家族等に引き渡すことになります。引き渡すことができなければ、執行官は債務者の費用で保管し、債務者が引渡しを拒んだときは、動産執行の売却手続によって換価・供託します。売却できずに無価値であると判断された場合には、廃棄することになります。
これらの動産類の引渡し後、建物の解体に着手することになります。建物の解体が完了次第、執行官と現地確認を行い執行完了(土地明渡し)となります。


(5)まとめ
このように、確定した建物収去土地明渡請求認容判決の強制執行は、債権者が建物収去の授権決定を得て(①)、建物収去を執行官に対する作為実施の申立て等により実施するとともに(②)、執行官に対し、土地明渡しの直接強制を申立て(②)、同時に実施する方法で行います(③、④)。

 

3 建物収去土地明渡しの強制執行の弁護士費用

当事務所の基本的な建物収去土地明渡しの強制執行の弁護士費用は、以下をご参照ください。

https://kl-o.jp/estate/#hudousanhiyou

 

4 建物収去土地明渡しの強制執行を弁護士に依頼するメリット

建物収去土地明渡しの強制執行は、代替執行の申立て+直接強制の申立て等が必要となり、その手続も民事執行法という一般にはなじみの薄い手続法に基づき行われる技術的な要素が大きいため、遺漏なく強制執行を進めて行くためには、専門知識が必要になります。
まずは、建物収去土地明渡しの強制執行でお悩みの際は、お気軽にご相談ください。


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