万引きは日常生活の中で比較的多く発生する犯罪ですが、刑事事件として扱われると逮捕、勾留されたり、最悪の場合は前科がついたり、実刑となって刑務所に収容されるといった重大な結果につながる可能性があります。
「出来心だった」
「商品を返したから問題ないと思った」
という場合でも、警察に通報されれば、刑事手続が進んでいきます。
また、万引き事件では、弁護士が早期に関与することで、処分結果が変わることも少なくありません。
本コラムでは、
・万引きはどのような犯罪になるのか
・逮捕された場合の刑事手続
・万引き事件の処分
・弁護士による弁護活動
について解説します。
【目次】
1 万引きはどのような犯罪になるのか
2 万引き事件で逮捕される場合とされない場合
3 万引き事件の処分
4 万引き事件で重要になる示談
5 万引き事件の弁護活動
6 当事務所の刑事弁護に関する弁護士費用
7 刑事弁護を弁護士に依頼するメリット
1 万引きはどのような犯罪になるのか
⑴ 万引きは窃盗罪に該当します
店舗の商品は、店の所有物です。
その商品をレジで精算せず持ち去った場合は、窃盗罪(刑法第235条)が成立します。
万引きは、次のような店舗で多く発生します。
・スーパー
・コンビニ
・ドラッグストア
・書店
・衣料品店
被害額が数百円程度であっても犯罪は成立します。
万引きは、被害額がそれほど大きくないこともあり、軽微な犯罪だと誤解している方もいますが、決してそうではありません。
被害品は、例え還付を受けたとしても、そのまま商品としても売却することはせず、多くの場合は廃棄されているようです。
また、万引き犯を捕まえ、その後の事情聴取などの対応を余儀なくされる店の従業員等の人件費や、店の防犯対策に要する費用などの損害も発生しており、万引きが多発する店では、最悪の場合、店が倒産するといったケースもあるようです。
このように、万引きは軽微な犯罪であるという考え方自体を改める必要があります。
⑵ 万引きが発覚する典型的なケース
万引きが発覚するケースとしては、次のようなものが多くあります。
・防犯カメラで発覚
・私服警備員(万引きGメン)による発見
・店員による目撃
最近では、AIカメラや電子タグなどの導入により、万引きの発覚率は高くなっているといわれています。
2 万引き事件で逮捕される場合とされない場合
万引き事件を起こしても、必ず逮捕されるわけではありません。
刑事手続は、大きく次の2つに分かれます。
⑴ 在宅事件として処理される場合
多くの万引き事件は、「在宅事件」として処理されます。
「在宅事件」とは、逮捕されずに捜査が進む事件です。
在宅事件の一般的な流れは次のとおりです。
① 店舗で万引きが発覚
② 店舗事務所内で店員らから事情確認
③ 店が警察に通報
④ 警察官が店舗に到着
⑤ 警察署に任意同行
⑥ 警察官による事情聴取
⑦ 帰宅
⑧ 在宅事件として捜査継続(取調べ等)
⑨ 事件を検察官に送致(送検)
⑩ 検察官による取調べ
⑪ 処分決定(起訴又は不起訴)
⑵ 逮捕されるケース
次のような事情がある場合には逮捕される可能性があります。
・逃亡のおそれがある
・身元が不明
・否認している
・常習性がある(同種前科・前歴がある)
・余罪が疑われる
逮捕された場合には、刑事手続は次のように進みます。
① 逮捕(警察官が身柄拘束)
② 48時間以内の検察官へ送致
③ 24時間以内に勾留請求
④ 最大10日間勾留
⑤ さらに最大10日間勾留期間延長
⑥ 処分決定
3 万引き事件の処分
万引き事件を起こした場合、最終的に検察官が処分を決定します。
主な処分は次のとおりです。
⑴ 不起訴
不起訴とは、刑事裁判を行わない処分です。
不起訴にはいくつか種類がありますが、万引き事件で多いのは起訴猶予です。
検察官は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により、訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができます(刑事訴訟法第248条)。
つまり、
・被害弁償
・示談成立
・前科前歴なし
などの事情があれば、起訴されない可能性があります。
不起訴になると、前科は付きませんが、前歴(警察や検察などの捜査機関から犯罪の疑いをかけられ、逮捕・事情聴取・書類送検などの捜査対象となった経歴)は残ります。
⑵ 略式起訴(罰金)
起訴の場合で、比較的多い処分が、略式起訴です。
略式起訴されると、公開の法廷での裁判を開かず、書面審理のみで罰金刑が決まります。
罰金刑が確定すると前科が付きます。
⑶ 公判請求
公判請求は、検察官が被疑者を公開の法廷での正式な裁判にかけるため、裁判所に申し立てる起訴手続のことです
次のような場合には公判請求されることがあります。
・常習的な万引き
・被害額が大きい
・前科がある
万引き事案において、初めて公判請求された方の場合には、被害金額にもよりますが、執行猶予判決が言い渡される可能性が高いです。
他方、窃盗とは異種の前科の執行猶予期間中の場合などには、例え今回初めて万引きで公判請求された方であっても、実刑になる可能性があります。
また、万引き(窃盗)で執行猶予期間中に、再度万引き事件を起こしてしまった場合には、実刑になる可能性は非常に高いといえます。
⑷ 微罪処分
なお、検察官による処分ではありませんが、初犯の万引きなど、極めて軽微な犯罪については、警察が検察官に事件を送致せず、警察限りで事件を終了させることがあり、これを「微罪処分」といいます。微罪処分になると、前科は付きませんが、前歴は残ります。
4 万引き事件で重要になる示談
万引き事件では、被害店舗との示談が非常に重要です。
示談とは、被疑者が、被害弁償、謝罪などについて被害者と合意することです。
示談が成立すると、次のような事情として考慮されます。
・被害回復がされている
・被害者の処罰感情が低い
その結果、
・不起訴
・軽い処分
になる可能性が高くなります。
ただし、店舗によっては
・示談に応じない
・本部対応のみ
という場合もあります。
その場合、弁護士が介入することで交渉が進むこともあります。
5 万引き事件の弁護活動
万引き事件では、弁護士は次のような弁護活動を行います。
⑴ 早期釈放のための活動
逮捕・勾留された場合には
・勾留阻止(検察官、裁判所への意見書提出等)
・準抗告(勾留決定に対する不服申立て)
などの手続を行います。
これにより早期釈放を目指します。
⑵ 示談交渉
弁護士が被害店舗と連絡を取り
・被害弁償
・謝罪
などを行い、示談成立を目指します。
⑶ 検察官への意見書提出
弁護士は検察官に対して
・反省状況
・示談状況
・再犯防止策
・家族の監督状況
などをまとめた意見書を提出することもあります。
⑷ 再犯防止策の整備
万引き事件では
・ストレス
・依存症
・経済的事情
などが背景にあることもあります。
そのため
・家族の監督
・治療
・生活改善
などの環境整備も重要になります。
6 当事務所の刑事弁護に関する弁護士費用
当事務所の刑事弁護に関する費用は次のページをご参照ください。
犯罪・刑事
7 刑事弁護を弁護士に依頼するメリット
これまでご説明したとおり、万引きは比較的身近な犯罪ですが、刑事事件として扱われると重大な結果につながる可能性があります。
当事務所は、元検察官の弁護士に加え、刑事裁判に関する豊富な知識、経験を有している弁護士が所属していますので、「家族が万引きで逮捕された」、「警察から呼出しを受けた」、「示談の方法が分からない」、「前科が付くのか不安」などのお悩みがある場合は、まずはお気軽にご相談ください。
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