「コンビニで万引きをした後、店員を振り払って逃走した際、店員が転んで怪我をしてしまい、強盗致傷で逮捕された。」
「彼氏とけんかになって、脅そうとナイフを振り回していたら、ナイフが彼氏の手に当たって怪我をさせてしまい、殺人未遂で逮捕された。」
裁判員裁判対象事件で逮捕された方から弁護を依頼したいとのご相談をいただくことがあります。
このコラムでは、裁判員裁判対象事件の弁護活動についてご説明します。
【目次】
1 裁判員裁判対象事件とは
2 裁判員裁判対象事件の捜査弁護
3 当事務所の刑事弁護に関する弁護士費用
4 裁判員裁判対象事件の弁護を弁護士に依頼するメリット
1 裁判員裁判とは
⑴ 裁判員裁判とは、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(以下「裁判員法」といいます。)第2条第1項に掲げる事件について、裁判員の参加する合議体(原則として裁判官3人、裁判員6人(裁判員法第2条第2項本文))で取り扱う刑事裁判です。
⑵ 裁判員裁判は、次のいずれかに該当する事件が対象となります(裁判員裁判対象事件)。
① 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件(裁判員法第2条第1項第1号)
現住建造物等放火(刑法第108条)、通貨偽造・偽造通貨行使(刑法第148条)、不同意わいせつ等致死傷・不同意性交等致死傷(刑法第181条)、殺人(刑法第199条)、強盗致傷・強盗致死(刑法第240条)などがこれに該当します(未遂、教唆、幇助も含みます。)。
② 裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもののうち、①に該当するものを除いたもの(裁判員法第2条第1項第2号)。
傷害致死(刑法第205条)、遺棄等致死(刑法第219条)などがこれに該当します(未遂、教唆、幇助も含みます。)。
2 裁判員裁判対象事件の捜査弁護
⑴ 裁判員裁判対象事件は、一般的に重大事件と呼ばれるものばかりであり、どのような弁護活動をしたところで身柄拘束から解放されることはないのではないか、不起訴になることは難しいのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、一般的には、裁判員裁判対象事件にそのような難しさがあることは否定できません。
しかし、全ての裁判員裁判対象事件において身柄解放や不起訴を狙うことが難しいというわけではなく、事案によっては弁護活動いかんで被疑者にとって有利な結論を導くことが可能です。
⑵ そもそも、逮捕罪名が裁判員裁判対象事件であっても、事実関係をよく確認すると、実は裁判員裁判対象事件の犯罪事実を認定することは困難ではないかと思われる事案は少なくありません。
例えば、コンビニで万引きをした後、店員を振り払って逃走した際、店員が転んで怪我をし、強盗致傷で逮捕されたという冒頭のケースでは、逮捕罪名は強盗致傷という裁判員裁判対象事件であっても、店員を振り払う暴行の程度が軽微である(反抗を抑圧する程度の暴行とはいえない)と認められる場合には、検察官による最終的な処分罪名が窃盗と傷害に変更される可能性があります。
また、彼氏とけんかになって、脅そうとナイフを振り回していたら、ナイフが彼氏の手に当たって怪我をさせてしまい、殺人未遂で逮捕されたという冒頭のケースでも、逮捕罪名は殺人未遂という裁判員裁判対象事件であっても、ナイフで切りつけた部位や程度などによっては、客観的に殺人未遂の故意を立証することが困難であり、処分罪名が傷害に変更される可能性もあります。
ほかにも、逮捕罪名が殺人未遂でも、被害者が負傷すらしなかったケースでは、殺意が認定されずに処分罪名が暴行になるケース、逮捕罪名が現住建造物等放火未遂でも、放火の故意が認定されずに処分罪名が器物損壊になるケースなどもあります。
このように、事実関係をよく確認すると、最終的な処分罪名が逮捕罪名とは異なる可能性が高い事案も少なくないため、弁護人においてそのことを早期に見極め、検察官や裁判所に対する意見書の中で的確に指摘することで、早期の身柄解放や不起訴処分を狙うことが可能となります。
⑶ 身柄解放・不起訴を狙うための弁護活動
身柄解放・不起訴を狙うため、以下のような弁護活動を行います。
〇 被疑者から事実関係の詳細な聴取
被疑者と早期の接見を行い、事実関係を詳細に聴取し、今後の弁護方針を決定します。この時点で、身柄解放の可能性や検察官による終局処分の見通しについてご説明します。
〇 被害者がいる事案では、早期の示談交渉、示談締結
被害者のいる事件で被害者と示談することが身柄解放や不起訴処分につながることは、裁判員裁判対象事件であっても変わることはありません。特に、終局処分が裁判員裁判対象事件の罪名にならない可能性の高い事件においては、示談を成立させることで身柄解放や不起訴の可能性が格段に高まります。
〇 身元引受人の確保
身元引受人が存在することは、被疑者の逃亡の可能性を低減させる事情となりますので、身柄解放を目指すためには早期に身元引受人を確保する必要があります。身元引受人の候補者としては、同居の親族(内縁を含む。)がベストですが、別居の親族や雇用主が身元引受人になって釈放されるケースも全くないわけではありません。
〇 検察官、裁判所に対して勾留請求に対する意見書の提出
勾留請求前に検察官に対し、勾留の必要性がないことなどを記載した意見書を提出します。勾留請求まで時間がないタイミングでご依頼を受けた場合は、意見書の提出に代えて、検察官に電話で勾留の必要性がないことを説明することもあります。このタイミングで被害者と示談が成立していれば、示談書を提出し、勾留請求阻止を目指します。
勾留請求がなされてしまった場合でも、裁判所に意見書を提出し、裁判官と電話面談をして勾留の必要性がないことなどを説明することで、勾留阻止を目指します。
〇 勾留、勾留延長に対する準抗告等
勾留決定が出た場合でも、勾留決定に対する準抗告をすることで、早期釈放を目指します。勾留延長決定に対しても準抗告が可能です。また、準抗告が認められない場合も、検察官に適切に働きかけることで、早期の身柄解放が実現するケースもございます。
〇 検察官対する終局処分に関する意見書の提出
これまでの弁護活動を踏まえ、被疑者を不起訴にすべき事情を記載した意見書を検察官に提出し、不起訴処分を目指します。
3 当事務所の刑事弁護に関する弁護士費用
当事務所の刑事弁護に関する費用は次のページをご参照ください。
https://kl-o.jp/crime/#00003
4 裁判員裁判対象事件の弁護を弁護士に依頼するメリット
これまで述べてきたとおり、裁判員裁判対象事件については、事実関係を的確に把握し、処分罪名まで見通して弁護活動をすることが、結果的に早期の身柄解放や不起訴処分につながるため、刑事事件に関する専門的知識やノウハウが豊富な弁護士の助言、協力が不可欠です。
当事務所は、殺人未遂罪での執行猶予判決獲得経験を含む複数の裁判員裁判経験のある元検察官の弁護士に加え、裁判員裁判対象事件における早期身柄解放実績のある弁護士が所属していますので、まずはお気軽にご相談ください。
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