「交通事故でケガをしたけど、慰謝料がどれくらいになるのかわからない」
「保険会社から提示された金額が低すぎて納得できない」
――交通事故に遭うと、こうした悩みを抱える方が少なくありません。
ケガや後遺症で生活が一変する中、慰謝料はあなたの精神的苦痛を補償する大切な手段です。
もっとも、交通事故自体がはじめてのことで「慰謝料っていくらもらえるの?」「どうやって請求すればいいの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
このコラムでは、交通事故事案を数多く扱う弁護士が、慰謝料の種類、相場、請求の流れをわかりやすく説明。被害者目線で役立つ情報をお届けします。
1 交通事故の慰謝料とは?基本を押さえよう
2 交通事故慰謝料の3種類と特徴
⑴ 入通院慰謝料とは?治療期間で決まる補償
⑵ 後遺障害慰謝料とは?後遺症への補償
⑶ 死亡慰謝料とは?遺族への補償
3 交通事故慰謝料の計算基準3つを比較
⑴ 自賠責基準:最低限の補償
⑵ 任意保険基準:保険会社の独自基準
⑶ 弁護士基準(裁判基準、赤本基準ともいいます。):最も高額であり、あるべき相場
4 交通事故慰謝料の請求方法と弁護士の役割
ステップ1:事故直後の対応
ステップ2:治療と証拠収集
ステップ3:保険会社との交渉
ステップ4:弁護士による増額交渉
5 交通事故慰謝料の相場はいくら?具体例で確認
6 交通事故慰謝料請求で失敗しないための3つの注意点
⑴ 保険会社の提示にすぐサインしない
⑵ 整形外科への適切な通院を実施し診断書を取得
⑶ 物損の時効は3年、人身損害の時効は5年!早めに行動を
7 弁護士に依頼するメリットとは?
8 まとめ:交通事故慰謝料を最大化するには弁護士が鍵
1 交通事故の慰謝料とは?基本を押さえよう
交通事故の慰謝料とは、事故で受けた精神的苦痛や心のダメージを金銭で補うものです。
例えば、ケガによる痛み、入院・通院のストレス、後遺障害が残ったことによる苦痛。
これらは目に見えませんが、被害者にとっては大きな負担です。
慰謝料は、このような「見えない損害」をカバーし、日常生活を取り戻す助けになります。
交通事故の慰謝料には大きく分けると3つの種類があり、それぞれ請求できる条件や金額が異なります。
以下で詳しく見ていきましょう。
2 交通事故慰謝料の3種類と特徴
⑴入通院慰謝料とは?治療期間で決まる補償
交通事故でケガを負い、入院や通院が必要になった場合に請求できるのが入通院慰謝料です。
この金額は、骨折か否かといった治療内容、治療にかかった期間や通院頻度で決まります。
例えば、むち打ちで3か月通院したケースと、複雑骨折で半年入院したケースでは、精神的負担が異なるため、当然、慰謝料も変わります。
ポイント:一般的に、治療期間が長く、入院が含まれるほど金額は増額します。ただし、事故との因果関係が証明できなければ認められません。また、詐病は許されず、別の法的問題を招くこともあります。弁護士に相談しながら入通院することで、適切な病院に適切な頻度で通院することに繋がり、診断書や通院記録を効果的かつ適切に医師に記載してもらえることになり、請求を有利に進められる場合もあります。
⑵後遺障害慰謝料とは?後遺症への補償
事故のケガが治らず、後遺症が残った場合に請求できるのが後遺障害慰謝料です。
例えば、慢性的な痛み、手足のしびれ、視力低下などが該当します。この慰謝料を受け取るには、損害保険料率算出機構による後遺障害等級(1級~14級)の認定が必要です。
- 等級別の相場例:
1級(重度障害): 2800万円
14級(軽度のむち打ちなど): 110万円
認定には後遺障害診断書といった専門的な書類が必要で、弁護士が適切に同診断書に記載してもらうべき事項を助言することで認定率が上がることもあります。
後遺障害慰謝料をしっかり請求したいなら、早めに弁護士に相談するのがおすすめです。
⑶死亡慰謝料とは?遺族への補償
事故で被害者が亡くなった場合、遺族が請求できるのが死亡慰謝料です。
これは亡くなった方の苦痛と、遺族の悲しみを補償する趣旨の慰謝料です。
金額は被害者の立場によって異なり、一家の支柱なら2500万円~2800万円が相場です。遺族や近親者固有の慰謝料も前述の慰謝料とは別途認められる場合もありますが、実務上は一体で評価されるケースが多いです。
遺族にとっては、お亡くなりになった方に関する賠償請求手続は、一般的に精神的負担が大きいと思われます。弁護士に任せれば、交渉窓口を全面的に弁護士とし、冷静に適正な慰謝料を請求できます。
3 交通事故慰謝料の計算基準3つを比較
慰謝料の金額は、どの基準を使うかで大きく変わります。
ここでは、交通事故慰謝料の相場を左右する3つの基準を比較します。
⑴自賠責基準: 最低限の補償
自賠責保険に基づく基準で、法律で定められた最低限の金額です。
入通院慰謝料は1日4300円(2025年現在)。治療期間の延べ日数か実通院日数の2倍の少ない方にこの単価をかけて計算します。
例えば、治療期間の延べ日数90日、実通院30日であった場合を想定します。この場合、30日の2倍である60日で計算するので、
60日×4300円=25万8000円が慰謝料の金額となります。
シンプルですが、あくまでも法律で定められた最低額であり、被害者の精神的苦痛をカバーしきれないこともあります。
⑵任意保険基準: 保険会社の独自基準
任意保険会社が提示する基準で、自賠責よりは高めです。
ただし、会社ごとに異なり、明確な計算式は非公開です。
交渉で多少増額可能ですが、後述の弁護士基準と比べるとまだ低いのが現実です。
⑶弁護士基準(裁判基準、赤本基準ともいいます。): 最も高額であり、あるべき相場
裁判所や判例に基づく基準で、弁護士が交通事故の慰謝料交渉を行う真価が発揮される部分です。
「通院」慰謝料なら軽傷で1か月19万円、骨折等の重傷で1か月28万円(重症で1か月「入院」する場合は1か月53万円にもなります。)。
後遺障害慰謝料は、後遺障害と認定されることは前提となりますが、14級であれば110万円、1級であれば2800万円と極めて高額になります。本コラムのテーマではないため割愛しますが、後遺障害と認定された場合は、後遺障害が残存していなければ、稼働等により得られる筈だった利益として、後遺障害逸失利益という損害も請求でき、こちらもかなりの高額となる場合があります。
4 交通事故慰謝料の請求方法と弁護士の役割
では、「慰謝料を増額したい!」と思ったら、どうすればいいのでしょうか。
以下に、交通事故慰謝料の請求方法の流れを解説します。
ステップ1: 事故直後の対応
事故後は警察に届け出て、ケガがあれば、できれば事故当日中に病院(整形外科)へ。早期の受診は慰謝料請求の第一歩です。
なお、相手の保険会社とも連絡先を交換しておきましょう。
この段階から弁護士にご依頼される方も多いです。
ステップ2: 治療と証拠収集
治療中は交通費の明細や(あれば)領収書を保管。後遺障害が疑われるなら、症状固定後に診断書を作成してもらいます。
治療頻度は、事故の内容にもよるため一概にはいえませんが、後遺障害として神経痛が残存する可能性がある事案では、整形外科に週2-3回程度、通院することをお勧めしております。
この段階でご依頼いただく方が当事務所では最も多いです。
ステップ3: 保険会社との交渉
治療終了後、保険会社から示談金が提示されます。
ここで提示される慰謝料は自賠責基準や任意保険基準ベースで低め。
納得できなければ、弁護士に依頼して交渉スタートです。
ステップ4: 弁護士による増額交渉
弁護士は、医師の意見書や事故状況をもとに弁護士基準で交渉。
私の経験では、慰謝料が倍以上になるケースも多いです。
話合いで解決しない場合は、交通事故紛争処理センターにてADRの申立てあるいは、裁判所にて訴訟提起をし、最大限の補償を引き出します。
5 交通事故慰謝料の相場はいくら?具体例で確認
交通事故慰謝料の相場を具体例でチェックしましょう。基準による違いが一目瞭然です。
なお、ここでは慰謝料に絞って金額を記載しておりますが、実際は、慰謝料以外にも複数の損害を請求することがあるため、損害だけでいえば記載の金額以上になるケースが多いです。
- 例1: むち打ちで3か月通院
自賠責:25万8000円(30日×2×4300円)
弁護士基準:53万円
増額幅:約27万円 - 例2: 複雑骨折で6か月入院・通院、後遺障害14級
自賠責:125万円(入通院50万円+後遺障害75万円)
弁護士基準:255万円(入通院145万円+後遺障害110万円)
増額幅:130万円 - 例3: 死亡事故(一家の支柱)
自賠責:1350万円
弁護士基準:2800万円
増額幅:1450万円
6 交通事故慰謝料請求で失敗しないための3つの注意点
慰謝料請求で後悔しないために、以下のポイントを押さえておきましょう。
⑴保険会社の提示にすぐサインしない
保険会社からの初回提示は低額が常。示談書に署名すると変更が難しいので、まずは弁護士の意見を聞きましょう。
⑵整形外科への適切な通院を実施し診断書を取得
まず、適切な治療経過をたどることは、慰謝料請求においては非常に重要です。また、特に後遺障害申請の場面においては、必要な事項の記載された医療記録が不足すると、後遺障害の認定がされず、正当な慰謝料が認められないこともあります。
⑶物損の時効は3年、人身損害の時効は5年!早めに行動を
交通事故の慰謝料請求には時効があり、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から物損は3年、人身損害は5年(2025年現在)が期限。放置すると権利が消滅するので、早めに弁護士に相談をすることをお勧めします。
7 弁護士に依頼するメリットとは?
交通事故の慰謝料を弁護士に相談する最大のメリットは、慰謝料の増額です。保険会社との交渉を代行し、弁護士基準で適正な金額を引き出します。
さらに、保険会社対応や弁護士対応を全面的に弁護士に任せることができるため、手続のストレスを軽減し、精神的な安心感も得られます。
当事務所では、初回面談相談は30分無料です。また、弁護士費用特約に加入している方は、30分以降も無料です。
たとえば、「後遺障害慰謝料の認定方法を知りたい」「慰謝料相場を詳しく聞きたい」と思ったら、お気軽にお電話ください。
8 まとめ:交通事故慰謝料を最大化するには弁護士が鍵
交通事故の慰謝料は、入通院、後遺障害、死亡の3種類があり、計算基準で金額が大きく変わります。
特に弁護士基準を活用すれば、自賠責基準の数倍になることもあります。
請求方法を間違えず、相場を理解し、弁護士の力を借りれば、納得のいく補償が受けられることが殆どです。
事故に遭ったら、まず専門家に相談を。あなたの権利を守るために、私たち弁護士が全力でサポートします。
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