今回の記事では,裁判所の「判決」に何が書いてあるのか,について解説いたします。

 

目次

1 「裁判」の終わり方-和解と判決

2 判決の中身-判決(書)に書いてあること

3 おわりに

 

1 「裁判」の終わり方-和解と判決

弁護士にご自身が抱えている事件の解決をご依頼した方でも,その事件の勝敗について裁判所が最終的に下した「判決」をご覧になったことのある方は,多くはないのではないでしょうか。

その理由の一つとしては,裁判所に訴え,つまり「裁判」を起こした場合でも,多くの事件では「和解」という形で事件が終わることになることが挙げられます(さらには,裁判を起こす前に,交渉でお互いが譲歩して事件が解決する場合も多くあります。)。

そこで今回は,知っているようで知らない「判決」の中身について解説いたします。

 

2 判決の中身-判決(書)に書いてあること

判決の中身(つまり判決に書いてあること,書かなければいけないこと)については,民事訴訟法253条が次のように定めています(このほかに,法廷での弁論が終わった日や事件の当事者,判決をする裁判所などを書かなければならないとされています。)。

①主文
②事実
③理由

主文とは,その事件について裁判所が下した最終的な判断のことをいいます。

例えば,「被告は,原告に対し,100万円を支払え。」,「原告と被告を離婚する。」といったことが書かれています。

 

次の②事実と③理由は,今現在普及している判決のスタイルでは「事実及び理由」として,ひとまとめとして書かれています。

この「事実及び理由」は,次のようなスタイルで書かれているのが通常です。

事実及び理由
第1 請求
第2 事案の概要
1 争いのない事実等
2 争点
第3 争点に対する判断

 

「第1 請求」には,その事件について原告が最終的に求める結論(「被告は,原告に対して100万円支払え。」など)が書かれています。

「第2 事案の概要」では,冒頭の部分で,その事件がどのような事件であるかが簡潔に示されています。

 

そして,「1 争いのない事実等」では,原告と被告との間で争いがない事実関係や,証拠からすぐに認定することができる事実関係が時系列順で書かれています。

「争いがない事実」というと,「争いがある事実」と比べて,重要性が高くはないのではないかと思われる方もいるかもしれませんが,このような「争いがない事実」(「動かしがたい事実」ともいいます。)を前提にして,裁判官は「争いがある事実」について事実の認定をしていくことになりますので,きわめて重要です。

弁護士としても,原告と被告との間で認識が一致している事実や,契約書などの手堅い証拠からどのような事実が認められるかを踏まえて弁護活動を行っていくことになります(ご依頼者の代理人である弁護士から見れば,「裁判官にどのように有利な判決を書いてもらうか」「裁判官に有利な判決を書いてもらうためにどのような資料を出すのか」を考えるのが弁護活動の一つといってもよいかもしれません。)。

 

「2 争点」では,その事件について,裁判官が判断を示す必要がある重要な争点が書かれています。

また,その争点に関して,原告や被告がどのような主張をしているのかが書かれていることもあります。

 

最後の「第3 争点に対する判断」では,先ほどの「争点」について,「争いのない事実等」や,証人尋問での証言などを踏まえて,「争いのある事実」や法律の解釈についての裁判所の最終的な判断が示されることになります。「判決」のメインの部分といってもよいかもしれません。

 

3 おわりに

ご依頼者や一般の方が,裁判所の「判決」についてじっくりと読む機会はあまりないかとは思いますが,この記事で解説させていただいた「判決の中身」,判決の大きな構造を頭に入れておいていただけると,判決を読む際の一助になるのではないかと思います。

 

これから判決に向かって手続が進む(進めることを検討している)方は,弁護士が適切に関与することで当方に有利な判決を受けられる可能性を高められるかもしれません。

当事務所では,想定される判決等についても可能な限り(良いケースや悪いケースも踏まえて)ご説明をしたうえで,納得感をもってご依頼いただきたいと考えております。

弁護士を入れるかどうかお悩みの方は,まずは一度,お気軽にお問合せ頂ければと思います。

 

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