破産の流れ

様々なご事情から借金の返済ができず困っている方は多数いらっしゃいます。

このような借金への対応は、任意整理、破産、個人再生等様々なアプローチがあります。

この記事では、このうち、「借金を0円にする手続」である破産手続について説明します。

ひと昔前までは,「破産」というとぎょっとされる方もいらっしゃったかと思われますが,昨今ではコロナウイルスの影響や奨学金の返済が困難になった方など多くの方がこの制度を利用し,建て直しを測っております。

破産手続を行ったとしても氏名や住所がインターネットで掲載されることもございません。

さらに,破産手続をすると無一文となるという誤った理解をしている方がいらっしゃいますが,実際は99万円以下の現金は残すことができますし,金額次第では車も残すことができる場合もございます。

まずは,偏見はもたずに,借金へのアプローチの一つとして,ご検討を頂ければと思います。

目次

1 支払ができない状態(支払不能)となる
2 弁護士へのご相談
3 受任通知の発送(督促の停止)
4 破産申立準備(資料収集,申立書作成)
5 破産申立・即日面接
6 破産管財人面接(管財事件の場合)
7 債権者集会(管財事件の場合)
8 免責審尋期日(管財事件ではない場合)
9 ご依頼のタイミング

1 支払ができない状態(支払不能)となる

コロナウイルス蔓延の影響や会社の退職などさまざまな理由から返済ができない状態になる場合があります。

このような出来事をきっかけに支払ができなくなることが破産申立には必要となります。

法律上は次のような状態になることが破産において必要とされます。

「支払不能」(破産法2条11項)

債務者が支払能力を欠くために,その債務のうち弁済期にあるものについて,一般的かつ継続的に弁済をすることができない客観的状態にあること

この判断は,専門的な判断となりますので,ご自身で「破産はまだできない」などと判断はせずに,支払いが困難になった段階で「破産申立ができる状態かどうか」を弁護士にご相談いただきたいと思います。

2 弁護士へのご相談

法律相談では,破産の流れを図示しながら説明をいたします。

これから本コラムでも説明をいたしますが,破産のなかでも種類が2つあり,どちらの破産を行うか,その見通しはどうか,費用はどうかなど,破産において必要なすべての事項を個別の事案に応じてお伝えいたします。

そのうえで,ご依頼を希望する場合は,委任契約書を交わします。

当事務所では,破産の費用は月額5万円から分割払いが可能ですので,その点でもご安心いただき,ご依頼を頂きたいと思います。

ちなみに,ご依頼に至った場合は,相談料はすべて無料とさせていただいております(ご依頼とならない場合も,初回30分間の面談相談は無料です。)。

3 受任通知の発送(督促の停止)

破産手続のご依頼をいただいた場合は、まずは、受任通知という書面を債権者に発送することとなります。

受任通知には、これ以上は返済ができないこと、今後の問い合わせは弁護士宛に行って頂くこと、借金の総額が分かる資料(債権届)を開示することを求めます。

この受任通知を貸金業者や債権回収会社に発送をすると,電話·訪問などによる直接の取り立てが停止することとなります。

それは,貸金業法21条1項(貸金業者による取立て行為の制限を定めた条文),債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)18条(債権回収会社による取立て等の業務を制限する条文)という条文に基づいて,直接の取り立てが禁止されるためです。

なお,貸金業者や債権回収会社による訴訟上の取り立てまで停止する効果はございません。とはいえ,実務上は,訴訟提起についても一定期間は行わないことが殆どです。

貸金業者や債権回収会社以外の債権者(ご友人からの借入金)などは,法律に基づくこのような効果が発生するわけではないため,事実上のお願いという形にはなりますが,多くの場合は,取り立ては停止します。

このように督促が停止することで,毎月の弁護士費用·裁判所費用の積み立てを安定して行うことができるようになります。

この受任通知の発送は,ご依頼後,可能な限り早急に実施いたします。

4 破産破産申立準備(資料収集,申立書作成)

受任通知発送後は、債権者からの債権の届出を待ちつつ、申立ての準備を進めることとなります。

この申立は,まさに破産法等の法律に基づく専門的な作業となります。

もっとも,この作業は弁護士ひとりでは完結できません。ご依頼者様しか破産に至る背景事情は分からないため,弁護士とご依頼者様の二人三脚で準備を進めていく必要があります。

具体的には、当事務所では、穴埋め形式で作成いただける申立書式をお渡ししますので、そちらをざっくりと埋めていただき、同時に、事前にお願いする必要書類をご準備いただくこととなります。

埋めていただいた資料と集めていただいた必要書類が揃うタイミングで、一度面談をさせていただき、申立に必要な事項をさらにヒアリングさせていただきます。

このヒアリングをもとに、申立書を当事務所で完成させることとなります。

この申立準備は費用の支払いが完了するまでの期間で行います。一括払いをして頂いた方に関しては,最短で3ヶ月程度で申立まで行うことが可能です。

5 破産申立・即日面接

申立書完成後は、裁判所に提出をします。

東京地方裁判所では、即日面接といい、破産手続開始申立ての当日または申立日から休日を除く3日以内に,裁判官と弁護士が面接を行う運用がとられています。

※令和3年2月現在は、コロナの影響で電話での即日面接を行っております。

この即日面接は,弁護士がこれまでお伺いした事情や申立書に基づいて対応をいたします。

この面接によって,大きく「破産管財事件」(裁判所により破産管財人が選任され,その管財人が財産を調査·現金化し,配当等をしていくという事件)とされるか「同時廃止事件」(先ほどの破産管財事件のような作業を行う必要のない事件)とされるかが決定します。

同時廃止事件は,破産管財人という裁判所に選ばれる弁護士が不要となるため,裁判所に支払う費用も安く,早く事件が終わります。

もっとも,原則はあくまでも破産管財事件であり,同時廃止事件は法律上は例外的な場合に認められます。

破産法216条1項 

裁判所は,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは,破産手続開始の決定と同時に,破産手続廃止の決定をしなければならない。

「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるとき」とは,要するに,裁判所費用すら支払うことがままならない場合をいいます。

もっとも,そのような費用がなかったとしても,例えば借金の原因が浪費やギャンブルなど「免責不許可事由」(破産法252条1項)といわれる一定の事情がある場合は,原則どおり破産管財事件となります。ここでは詳細に免責不許可事由については説明はいたしませんが,破産を検討する多くの方は,この免責不許可事由に該当します。

このあたりの判断についても,専門的な判断を要する点ですので,申立前にしっかりと打合せを行い,どちらの手続を実施するかご説明をいたします。

申立から面接までは,通常は土日祝日を除き3日以内に完了します。

6 破産管財人面接 (管財事件の場合)

破産管財事件の場合は,申立の後に破産管財人と弁護士とご依頼者様の3名で面接を行うこととなります。

隣に弁護士もいますので,安心して破産に至る経緯など尋ねられたことをお話しいただければ大丈夫です。

時間にして,通常は30分から1時間程度で終了します。

即日面接から管財人面接までの期間は,通常は1週間以内に行われます。

7 債権者集会(管財事件の場合)

破産管財人の面接後は,通常は約2ヶ月程度,破産管財人による調査が行われます。


調査では,ご自宅に届く郵送物を破産管財人の事務所に転送し,他に債権者がいないかどうか等のチェックが行われます。

財産を換金する必要がある事案の場合は,換金手続等も行われることとなります。

また,上記5で説明をした免責不許可事由があるケースでは,免責不許可事由があったとしても借金を0円とする判断をして問題がないかどうかの調査(免責調査)も行われることとなります。

これらの調査結果を報告する集会が,債権者集会となります。

債権者集会には,裁判官,破産管財人,ご依頼者,弁護士が出席します。また,債権者も出席することが可能です(もっとも,貸金業者や債権回収会社はほとんど出席することはありません。)。

換金手続等の作業が完了していない場合は,1回の債権者集会では終了しない場合もございますが,特に免責調査を行うだけの事案では,多くの場合は1回で終了します。

免責不許可事由という名前からすると,果たして借金を0とする判断(「裁量免責」の判断といいます。)は簡単には出ないのではないかとご心配になる方もいらっしゃるかと思われますが,多くの場合は,誠意をもって生活を改め,ここまで手続を続けられた方は免責の判断をいただけますのでご安心ください(そのような免責の判断をいただけるよう最大限サポートさせていただきます。)。

※ちなみに,後記の免責審尋期日は,破産管財事件の場合は,この債権者集会と同時に行われることとなります。

この集会自体は,東京地方裁判所の場合は,通常,1件あたり5分以内で終了いたします。

※コロナの影響で,裁判官と破産管財人のみの出席で実施する運用も東京地方裁判所では令和3年2月現在は行われております。

8 免責審尋期日(管財事件ではない場合)

同時廃止事件の場合は,前記6,7が省略されます。

借金を0円として良いかどうかの判断を裁判官が行うにあたり,ご依頼者様と裁判官が直接面談をする機会が設けられます。これが免責審尋期日です。

東京地方裁判所の場合は,霞が関の東京高裁·東京地裁·東京簡裁合同庁舎6階626号法廷で行われ,氏名や住所等に変更がないかを聞かれ,終了します。

時間にすると1分程度で終了することが殆どです。

※コロナの影響で,令和3年2月現在,東京地方裁判所ではこの免責審尋期日には出頭しなくて良いとの運用が行われております。

この免責審尋期日(破産管財事件の場合は前記7の債権者集会と同時に行われます。)から2週間程度で借金を0円にするかどうかの判断を記載した書面が弁護士の事務所に届き,事件はすべて終了となります。

9 ご依頼のタイミング

ご依頼のタイミングとしては,前記1の支払が困難となった時期や,支払いが困難となることが予め予想できている時期が適切なタイミングとなります。

もっとも,支払不能かどうかの予測は難しい場合もあり,支払不能ではないとしても,破産以外の借金に対するアプローチが有効な場合もあります。

そのため,まずは借金についてお悩みになった段階で,お気軽にお問い合わせを頂きたいと思います。

個別の内容に応じた,最も適切なアプローチをご提案させていただきます。

お電話でのお問い合わせ

平日9時~18時で電話対応

☎︎ 03-5875-6124