「不倫(不貞)をされて慰謝料を請求したいのですが、慰謝料の相場はいくらですか。」
「不倫(不貞)をしてしまって高額な慰謝料を請求されているのですが、減額できないのでしょうか。」
こういったご相談をお受けするケースがございます。
今回の記事では、不貞の際の慰謝料について、よくあるご質問を弁護士に依頼するメリットと併せて解説していきます。
【目次】
1 そもそも不貞慰謝料とは何ですか?
2 不貞慰謝料の相場はどれくらいですか?
3 慰謝料の増額・減額の要素は具体的にどのようなものがありますか?
4 不貞慰謝料はどのようにして請求するのですか?
5 不貞慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
6 当事務所の慰謝料請求の弁護士費用
7 おわりに
1 そもそも不貞慰謝料とは何ですか?
まず不貞慰謝料の前提として、不貞行為とは、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいい、夫婦は、互いに性的な不純行為を行わない義務を負っています。
そして、この義務に違反して一方の配偶者が不貞を行った場合、他方の配偶者は、婚姻共同生活の平和の維持という権利ないし法的保護に値する利益を侵害され、精神的苦痛を受けたとして、慰謝料請求を行うことができます。
この請求は、民法による不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)であり、不貞をした配偶者とその不倫相手に請求することができます。
2 不貞慰謝料の相場はどれくらいですか?
実は慰謝料の金額には明確な基準がなく、様々の要素を考慮して判断することになります。
しかし、不倫をしても離婚をせず夫婦関係を続ける場合と不倫が原因で離婚する場合とでは金額の相場は分かれており、夫婦関係を続ける場合で、不倫の相手方に請求するときは数十万円~100万円、離婚する場合で不倫をした配偶者に請求するときは100万円~300万円が目安となっています。
なお、離婚をする場合で不倫の相手方に請求する場合は、不倫をした配偶者に請求するときに比べて金額が低くなる可能性があります(離婚時の精神的苦痛に対する慰謝料を、特段の事情がない限りは別れた配偶者の不倫相手には請求できない旨を示した最高裁判所第三小法廷判決平成31年2月19日民集73巻2号187頁参照)。
ここで重要なのは、不貞により「夫婦関係がどれだけ悪化したか」です。
離婚する場合としない場合で相場が分かれるのは、夫婦関係を継続できる場合よりも離婚をする場合の方が、夫婦関係の悪化の程度が大きいからです。
そのため、この「夫婦関係がどれだけ悪化したか」を様々な要素を考慮して判断します。
3 慰謝料の増額・減額の要素は具体的にどのようなものがありますか?
慰謝料の金額を左右する主要な要素としては、以下の要素があります。
- 夫婦関係にまつわる要素
- 婚姻期間
→長い場合、増額要素となる。 - 子どもの年齢
→子どもがいる場合は増額要素となり、その子どもが幼い場合はさらに増額要素となる。 - 不貞発覚前の夫婦関係
→不貞発覚前の夫婦関係が円満であった場合は、増額要素となり、不貞発覚前から夫婦関係が破綻寸前であった場合は、減額要素となる。 - 不貞後の婚姻関係の帰趨
⇒離婚した場合は増額要素となり、離婚しない場合は減額要素となる。 - 不貞の内容
- 不貞期間、不貞の回数
⇒期間は長ければ長いほど、回数は多ければ多いほど増額要素となる。 - 不貞関係の内容
⇒不貞相手と同棲しているなど、積極的である場合は増額要素となる。 - 不貞相手との間に子どもができたか
⇒子どもができた場合、増額要素となる。 - 不貞発覚後の事情
- 不貞相手の謝罪の有無
⇒謝罪がない場合は増額要素となる - 不倫相手に関係を断つように申し入れたか
⇒申し入れがない場合は増額要素となる。
4 不貞慰謝料はどのようにして請求するのですか?
不貞をした配偶者、その不貞相手に対して不貞慰謝料を請求する場合、そのいずれの場合でも、まず自らの主張する慰謝料の額を提示して、交渉を行います。
交渉の結果、相手はその額を支払う場合がありますが、支払わない場合には、訴訟(地方裁判所又は簡易裁判所の通常訴訟)を提起するのが通常です。
なお、慰謝料請求にあたって注意すべきことに、消滅時効があります。
慰謝料請求は、不法行為に基づく損害賠償請求であるため、
- 損害及び加害者を知ったときから3年間行使しないとき
- 不法行為のときから20年間行使しないときは、時効によって消滅してしまいます。
そのため、不貞に気付いてから不倫の相手方へ慰謝料請求をせずに放置していると、時効期間の経過で請求ができなくなる可能性があるので注意が必要です。
5 不貞慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
以上、慰謝料の相場や慰謝料の増額減額要素、慰謝料請求の方法などを解説してきましたが、不貞慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットをご紹介します。
- 適切な慰謝料額を請求できる
不貞慰謝料の金額は、上記で解説したように、明確な基準があるわけではなく、個別の様々な要素を考慮して判断するため、自分で適切な額を判断するのは容易ではありません。しかし、弁護士に相談すれば、相場観をもとに適切な額を請求することができ、相手から相場を下回る金額を提示されて、やむなく受け入れてしまうことを防ぐことができます。 - 慰謝料請求を任せることができる
不貞慰謝料の請求方法は上記で解説したとおりですが、自分で交渉、調停、訴訟を行うことは、大きな労力と時間が必要となり、精神的にもストレスです。しかし、弁護士に依頼することで、これらのマイナス要素を大幅にカットすることができます。特に、調停や訴訟は、短期間で終わることは基本的にはないため、非常に心理的にストレスが溜まるため、このストレスを抱えなくて済むことは、大きなメリットといえます。
6 当事務所の慰謝料請求の弁護士費用
まず前提として、弁護士の費用には大きく分けて4つの費用がございます。
- 相談料
法律相談をする際に発生する費用です。
当事務所では、初回30分については0円です。
- 着手金
事件着手時に発生する費用のことで、事件の結果によって金額が変わることがない費用です。
結果にかかわらず着手金は返金されない費用となります。
- 報酬金
事件の解決時に発生する費用のことで、事件の結果によって報酬金は変わります。
つまり、経済的利益が得られなければ基本的に報酬金は0円となります。
- 実費等
実費は、交通費や郵便切手代等実際に掛かった費用です。
その他には、遠方の裁判所等に出張した場合に発生する日当や戸籍等の取得を弁護士に依頼をした場合の取得手数料があります。
詳細は、面談をした際に、実費等請求基準表をお示ししてご説明いたします。
慰謝料請求の当事務所の慰謝料請求の着手金は、以下のとおりです。
・交渉 税込み22万円
・調停 税込み33万円
(※協議(交渉)から調停に移行した場合は追加着手金22万円で承ります。)
・訴訟 税込み44万円
(※協議(交渉)・調停から訴訟に移行した場合は追加着手金33万円で承ります。)となります。
報酬金は、以下のとおりです。
・得られた場合 得られた額の11%(※最低額22万円)
・減額した場合 減額した額の11%(※最低額22万円)
- 訴訟では着手金が44万円となるため、慰謝料請求する額によっては経済的メリットが少なくなる場合であっても、交渉であれば経済的メリットがある場合も考えられますので、どの手段を選択すべきかについては、お気軽にご相談下さい。
7 おわりに
不貞慰謝料を請求する際は、解説したとおり様々な注意点があります。正確な慰謝料額を知り、適切な慰謝料請求を実現するためにも、お悩みの際にはお気軽に弁護士にご相談ください。
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