「別居して離婚の話し合いをしているが、一向に進まない」
「離婚調停中だが、お互いの主張が平行線で不成立になりそう…」
当事務所でも、このような先の見えない不安を抱えたご相談を多くお受けします。
当事者同士の話し合い(離婚協議)や、裁判所を介した離婚調停でも合意に至らない場合、最終的には「離婚訴訟(裁判)」へと進むことになります。
この記事では、調停がうまくいかない場合の次のステップである「離婚訴訟」の手続や、裁判で離婚を認めてもらうために極めて重要となる「別居期間の目安」について、弁護士がわかりやすく解説します。
1 離婚協議・調停がうまくいかない時の手続「離婚訴訟」
⑴ 離婚調停の不成立とは?
⑵ 離婚訴訟(裁判)への移行と「4つの法定離婚事由」
2 裁判で離婚が認められる「長期間の別居」の目安
⑴ 「婚姻を継続し難い重大な事由」の代表例が別居
⑵ 別居期間は「約3年」が一つの目安
⑶ 【よくある質問】家庭内別居や単身赴任は別居期間に含まれる?
⑷ 自分に原因がある場合(有責配偶者)の別居期間は?
3 離婚訴訟を見据えた準備の重要性
4 離婚訴訟を弁護士に依頼するメリット
5 当事務所の弁護士費用
6 おわりに
1 離婚協議・調停がうまくいかない時の手続「離婚訴訟」
⑴ 離婚調停の不成立とは?
離婚調停は、あくまで「夫婦双方が離婚に任意で合意すること」を目指す話し合いの手続です。
調停委員が間に入って調整を行いますが、どちらか一方が頑なに離婚を拒否したり、親権や財産分与などの条件面で折り合いがつかなかったりする場合、調停は「不成立(終了)」となります。
⑵ 離婚訴訟(裁判)への移行と「4つの法定離婚事由」
話し合いで解決できない場合、人事訴訟法に基づき「離婚訴訟」という手続に移行します。
訴訟では、裁判官が客観的な証拠に基づき「法的に離婚を認めるべきか」を判断し、判決を下します。
話し合いであれば離婚理由は問題とならないケースも多いですが、裁判で強制的に離婚を認めてもらうには、民法で定められた以下の「4つの離婚原因(法定離婚事由)」のいずれかに該当する必要があります(民法第770条)。
① 配偶者に不貞な行為があったとき(いわゆる不倫・浮気)
② 配偶者から悪意で遺棄されたとき
(生活費を渡さない、理由なく同居を拒否するなど)
③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
④ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
2 裁判で離婚が認められる「長期間の別居」の目安
⑴「婚姻を継続し難い重大な事由」の代表例が別居
上記の①~③(不倫や悪意の遺棄など)の明確な理由がない場合でも、④の「婚姻を継続し難い重大な事由(夫婦関係が破綻し、修復不可能な状態)」を証明できれば離婚が認められます。
実務上、この重大な事由として最も多く主張されるのが「長期間の別居」です。夫婦双方が長期間別居しているという客観的事実は、夫婦関係が破綻している強い証拠となります。
⑵ 別居期間は「約3年」が一つの目安
単身赴任などの夫婦関係悪化に起因しない理由ではなく、例えば、性格の不一致や価値観の相違、セックスレスなどを理由とした別居が対象です。
どれくらいの期間で「長期間」と認められるかは、同居していた期間との割合や、別居に至った経緯によっても異なりますが、裁判実務においては「おおむね3年以上の別居」が一つの基準とされています。
【実務上のポイント:別居期間のカウント方法】
この「3年」という期間は、別居開始から裁判手続が終わる時(終結時)を基準に判断されます。
離婚訴訟の平均的な審理期間は1年~1年半程度です。つまり、離婚訴訟を申し立てるタイミングで既に「1年半〜2年程度」の別居期間があれば、判決が出る頃には約3年となり、離婚が認められる可能性が高まります。(また、この見通しが立つことで、途中で和解離婚が成立するケースも多々あります)。
⑶【よくある質問】家庭内別居や単身赴任は別居期間に含まれる?
家庭内別居の場合: 同じ家の中に住んでいても「生活空間が完全に分離している」「家計が別々である」「一切の会話がない」といった実態を客観的な証拠で証明できれば、別居と同等に評価される余地はあります。ただし、物理的な別居に比べて証明のハードルは非常に高くなります。
単身赴任の場合: 業務上の都合による別居は夫婦関係の破綻とは言えないため、原則として別居期間にはカウントされません。ただし、単身赴任中に夫婦関係が悪化し、赴任先から「離婚を前提とした別居である」と明確に伝えた時点からカウントが開始されるケースはあります。
⑷ 自分に原因がある場合(有責配偶者)の別居期間は?
不倫をした側など、自分から婚姻関係を破綻させた側(有責配偶者)からの離婚請求は原則として認められません。
ただし、例外的に離婚が認められる要件の一つとして「極めて長期間の別居」があります。この場合、通常の3年では足りず、おおむね7年〜10年以上の別居期間が必要になるのが一般的です(未成熟の子どもがいないことなども要件となります)。
3 離婚訴訟を見据えた準備の重要性
別居期間さえあれば自動的に離婚できるわけではありません。「別居の事実」と「夫婦関係の破綻」を裁判官に納得させるための主張・立証が必要です。
別居を証明する証拠: 住民票の移動記録、新居の賃貸借契約書、別居先での公共料金の明細など。
破綻の経緯を示す証拠: 別居に至る原因となった出来事を記した日記、メールやLINEのやり取り、DVがあった場合は診断書や警察への相談記録など。
離婚調停において合意が難しい場合でも、「将来的に裁判になった場合、別居期間は十分か」「証拠は揃っているか」を見据えて、離婚調停不調後に交渉することで、膠着状態を打開できるケースもあります。
4 離婚訴訟を弁護士に依頼するメリット
ご本人同士での話し合いや調停では感情的になりやすく、法的に有効な主張を組み立てるのは困難です。
弁護士にご依頼いただければ、現在の状況を法的に分析し、「いつ裁判を起こすべきか」「どのような証拠を集めるべきか」など、訴訟までを見据えた最適な解決プランをご提案可能です。また、煩雑な裁判所への出廷や書面の作成もすべて代理で行うため、精神的・時間的な負担を大幅に軽減できます。
5 当事務所の弁護士費用
当事務所では、ご相談者様が安心してご依頼いただけるよう、明確な料金体系を設けております。
初回相談料や、着手金・報酬金の詳細につきましては、以下の料金案内ページよりご確認ください。
※親権、面会交流、婚姻費用、養育費などの問題が付随した場合も、原則として基本の「着手金」内で対応いたします。事件終了時の「報酬金」は、問題となった項目別に発生いたします。
6 おわりに
離婚問題が長期化すると、先の見えない不安で精神的な負担が非常に大きくなります。「調停が不成立になりそう」「あとどれくらい別居を続ければ離婚できるのか」とお悩みの方は、一人で抱え込まずに一度専門家にご相談ください。
当事務所では、ご不安な点について丁寧にご説明し、依頼者様にとって最善の解決を目指して伴走いたします。
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