このコラムでは、強制執行に向けて債務者の財産状況を調査するために民事執行法で用意されている「第三者からの情報取得手続」について説明します。

 関連する「財産開示手続」については、当事務所の以下のコラムもご参照ください。

「財産開示手続の流れ・メリット・弁護士費用、欠席や虚偽説明をした場合の 罰則、第三者からの情報取得手続」

 

【目次】

1 第三者からの情報取得手続とは

2 第三者からの情報取得手続の種類・要件等

3 第三者からの情報取得手続の流れ

4 第三者からの情報取得手続を利用する場合の留意点

5 第三者からの情報取得手続に関する当事務所の弁護士費用

6 おわりに

 

1 第三者からの情報取得手続とは

債務者に対して金銭の支払いを命ずる確定判決等に基づき強制執行(差押え)をするためには、強制執行の対象となる債務者の財産を特定する必要があります。
そこで、強制執行に向けて債務者の財産状況を調査するために、民事執行法において「財産開示手続」(第196条~第203条)と並んで用意されているのが、「第三者からの情報取得手続」(第204条~第211条)です。

 

2 第三者からの情報取得手続の種類・要件等

第三者からの情報取得手続は、取得する情報の種類に応じて、不動産情報取得手続、給与債権情報取得手続、預貯金及び振替社債等情報取得手続(預貯金等情報取得手続)の3種類に分けることができ、それぞれ手続をするための要件等が異なっています。

要件等を表にまとめると次のとおりです。

 

不動産情報取得手続

給与債権情報取得手続

預貯金等情報取得手続

申立権者

①金銭債権の執行力ある債務名義正本の債権者

②一般先取特権者

婚姻費用、養育費等の請求権又は生命身体侵害の損害賠償請求権の執行力ある債務名義正本の債権者

①金銭債権の執行力ある債務名義正本の債権者

②一般先取特権者

第三者

東京法務局

市区町村、日本年金機構等

銀行等、振替機関等

対象情報

不動産の存否、不動産を特定する事項

給与等支払者の存否、氏名・名称、住所

預貯金の有無、取扱店舗、預貯金の種別・口座番号・額等

要件

①先に実施した強制執行の不奏功

②完全な弁済が得られないことの疎明

①先に実施した強制執行の不奏功

②完全な弁済が得られないことの疎明

①先に実施した強制執行の不奏功

②完全な弁済が得られないことの疎明

財産開示手続前置の要否

必要

必要

不要

3 第三者からの情報取得手続の流れ

 第三者からの情報取得手続の流れは、次のとおりです。
 ① 裁判所への申立て(申立書及びその添付資料の提出)
 ② 裁判所による発令要件の審査
 ③ 裁判所による第三者に対する情報提供命令の発令
 ④ 第三者による裁判所に対する情報の提供
 ⑤ 裁判所による債権者に対する情報の通知
 ⑥ 裁判所による債務者に対する情報提供がされた旨の通知

 

4 第三者からの情報取得手続を利用する場合の留意点

前記3⑥のとおり、第三者による裁判所に対する情報の提供(前記3④)がなされた場合、最終的には債務者に対してその情報が提供された旨の通知がなされることになり、債務者は、債権者が強制執行の準備をしていることを知ることになります。

そして、例えば東京地裁民事執行センターにおける運用においては、預貯金等情報取得手続の場合、銀行等から最後の情報の提供がされた後1か月を過ぎた時点でこの通知をすることとされていますので、債権者としては、債務者による執行妨害(預貯金の引出しなど)を避けるため、銀行等から情報の通知がなされるたびに強制執行申立書の訂正・補充を行い、最後の情報の提供がなされたら即座に強制執行の申立てができるように留意しておく必要があります。

 

5 第三者からの情報取得手続に関する当事務所の弁護士費用

当事務所における第三者からの情報取得手続の弁護士費用については、1申立て当たり5万5000円(ただし、その後に必要となる強制執行とセットでご依頼いただく方に限ります。)となります。

 

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